不登校の理解・解決のために-第1回目【問題解決の難しさ】

不登校の理解・解決のために-第1回目【問題解決の難しさ】

これから何回かに分けて、不登校の理解・解決のために役立つと思われることを、下記のテーマで書いてみたいと思います。(まずは、6回までの予定です)

第1回目【問題解決の難しさ】

第2回目【子供が親離れする過程】

第3回目【子供が親離れする過程における大切なこと】

第4回目【子供の理想的な精神的発達過程について】

第5回目【精神的発達過程の中で不十分な過程があるとどうなるか?】

第6回目【精神的発達過程のやり直しのポイント】

——————————————————————————————————————-

今回は、第1回目【問題解決の難しさ】についてお伝えします。

問題解決には、大きく分けて根本解決と、表面上の解決(医学では対症療法と言われています)があります。問題には必ず原因がありますが、原因には根本的なものから表面的なものまであります。問題によっては、表面的なものを対応することで実質的に解決することもあります。しかし、問題が長期間解決しない場合、根本的な原因に目を向けることがどうしても必要になります。その場合、何らかの問題、サインが生じるのは単なるきっかけに過ぎず、本当の問題は、時間的、空間的に離れた所にあることを認識する必要があります。

問題が起きた当初は、(問題の大きさにもよりますが)多少の余裕があるものです。そのため、問題が起きても平静を装うことができます。しばらく耐えに耐え、もうこれ以上だめだとなって、初めてサインを出すからです。特に、不登校になってしまうお子さんは、一般に感受性が高く、周囲に心配をかけまいと考えてしまう傾向が強いので余計にわかりにくいことが多いです。

コップに水を少しずつ満たしていくところを想像してもらうとわかりやすいかもしれません。一滴ずつ水がポタポタとコップの中に溜まっていく所を想像して下さい。この1滴1滴が個々の問題に相当します。そして、やがて水はコップ一杯になり、表面張力でギリギリまで水面が盛り上がります。そして、ある時、最後の一滴が落ちた時に表面張力が破れ、水が一気にコップからこぼれ出ます。ここで初めて問題が表面化するので、多くの場合、最後の一滴が唯一の問題と考えて、これについて解決策を探ろうとしますが、これは無理のないことです。しかし、実際には最後の一滴は単なる表面化するきっかけに過ぎず、実はすでにコップ一杯分の水という大きな問題があるのです。ですので、最後の一滴のことをだけを考えても、改善には繋がりません。コップが大きい場合には特に。

なかなか解決しない問題を見る時、このことを念頭に置く必要があります。

それでは、次に、実際に起きていることの理解を深めるために、子供が親離れする過程について考えてみます。

第2回目【子供が親離れする過程】へ続きます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です