不登校の理解・解決のために-第5回目【精神的発達過程の中で不十分な過程があるとどうなるか?】

今回は、第5回目【精神的発達過程の中で不十分な過程があるとどうなるか?】についてお伝えします。

実際に、生きていく上ではいろんな事が起こり、状況は皆千差万別です。全ての人が必ずしも理想的な精神的発達過程を送るとは限りません。絶対的安心感が不十分だったり、両親からの愛情を十分に受けることができなかったり‥‥。

そのまま次の段階へ進み、自立せざるを得ない状況になった場合、どうなるのでしょうか?

一般には、精神的に不安定な状況でストレスを強く受けることになります。そのため、十分にその人の能力を発揮することは困難になるでしょう。また、もともとの不安定な状況は更に悪化するでしょう。すると、能力が発揮できない→‥‥。 悪循環に陥ってしまうと考えられます。その一部は、不登校、ひきこもりに‥‥。

しかし、実際にはどうでしょうか?意外にそうでもないと思いませんか?全くゼロとは言いませんが、精神的発達過程に問題があったからと言って、必ずしもそうなるとは限りません。何故かと言うと、大部分の人は、その後、幼少時に十分得られなかったものを、特に意識することなく別な形で自然にやり直しているからです。

それは戦中、戦後の状況を考えれば明らかだと思います。明らかに、現在よりも幼少時の環境は劣悪です。常に死と向き合い、恐怖、不安の連続でした。小さい頃に両親と死に別れたりして十分に親の愛情を受けることができなかった人も多くいたと思います。それにもかかわらず、その後、多くの人は精神的に立派に育っています。

 

大事なことは、いつからでもやり直すことができて、それにより正常な発達を遂げることが可能であるということです。私はこれまで、幼少時の愛情に少なからず問題を抱えていると思われる人に対し、意識的に、両親からの愛情を感じられるように接してもらいました。その結果、多くのケースで症状がドンドン良くなるのを見てきました。このことからも、やり直しの効果を実感しています。ですので、現在、何らかの症状を出している方の中には、こうしたやり直しを上手くできなかったことが原因になっている人がいると思います。特に、不登校、引きこもりとなるケースには多いと思いますので、その点を注意してみることが大切だと考えています。

 

次は精神的発達過程のやり直しが必要な場合に、大切なことを考えてみます。

★次回、最終回 第6回目【精神的発達過程のやり直しのポイント】へ続きます。

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