不登校の理解・解決のために-第6回目【精神的発達過程のやり直しのポイント】

今回は、最終回、第6回目【精神的発達過程のやり直しのポイント】についてお伝えします。

まずは、大切なポイントを以下に述べます。

①正しい発達過程を踏んでいない場合は、何かしらのサインを出してくれる。

②サインに気づくのは早いほど、より小さな対応で済む。

(不登校、引きこもりというのもサインの一つ)

③いつでも必要な過程をやり直すことは可能である。

 

そのために必要となる行動は、

・できれば早期に、小さなサインのうちにサインに気づくために、日々コミュニケーションや観察を密にする。

・そのサインの意味を正しく理解するために、想像力を働かせ、仮説を立て検証する。(この子は、十分愛情を受け取ってきたと“感じている“だろうか?など)

・気づいたら、なるべく早く必要な対応をとる(対応を色々と変えて、サインの変化を観察する)。

 いつからでも間に合います。遅すぎるということはありません。

 

ほとんどのサインは、必要な過程がスキップされて次の段階に進んだ時に、しばらくして現れます。多くの場合、ここに時間差があるため、気づくことが困難になります(これについては、前述したとおりです)。

一番多いのが、十分な愛情を受ける前に、少学校などへ進み、自立せざるを得ない状況になってしまったということです。現在の世の中は平和であり(特に日本では)、生存が脅かされる状態というのはほとんどありません。ですので、生存に対する安心感を持つ段階をスキップされることは少ないと思います。(ただし、虐待などの問題は個別には存在しますが。)ですので、特に原因がはっきりせず、問題が解決できていない場合、これまでの経験から、幼少時の愛情不足を疑ってみることで解決に向かう可能性が高いと考えます。

愛情というものは受け手側の受け取る能力が大きく関わってくるものです。そのため親の方でいくら十分に与えたと思っても、子供の方では同じように感じているとは限らない所に全ての問題があります。子供の側の感受性は千差万別だからです(一般に、発達障害の傾向のあるお子さんの場合、この感受性が低い事が多いので、注意が必要です)。

そのため、お子さんに接する時は、必ずお子さんの表情をみてどのように感じているかを確認し、それを元に対応することが重要だと思います。

 

「もう大人なんだから甘えないで」というのではなく、時には、(体は大きくても、心は3-4歳のままだと思って)甘えさせることが効果を発揮することもあります。

この時、甘えさせること、イコール、わがままを許すということではありません。あくまでも、3-4歳の子が親にお願いするようなこと(基本的欲求)をできるだけ叶えてあげるということです。ここでは、できるだけ親の都合を排除して、子供中心に考えてあげることです。親のコントロール(支配)を捨てて、子供が安心し楽しむことにすべての意識を向けて対応するのです。

子供が十分に親に甘えることができたと実感できれば、親を試すこと=わがままを言うことが減ってくるものです。その必要がなくなるからです。この辺の見極めは難しいのですが、これについては、今後、機会があれば個別に書いてみたいと思います。

 

ご意見、質問がありましたらご連絡お待ちしております。

個別対応はできませんが、全てお読みさせていただきます。

必要に応じて記事の形で反映したいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です