人と違っていることで、不安に思い苦しくなった経験はありませんか?
日本人は特に、みんなと同じだと安心する民族だと言われています。
◆人と違っていることからくる不安の原因は?
人は、無意識的に何の疑いもなく、“常識”に従い生きています。
普段は、当たり前すぎて“常識”を意識すらしないことが多いですが。
そして、それに従っているうちは、皆と同じなので、特に目立つこともなく、問題になりません。しかし、何か、人と違うことをしてした時、または、しようとした瞬間に、“常識”が突然、姿を現します。
人と違っていると思った瞬間、“常識”の外に出ることになります。そして、“常識”の外に出ることで、痛みを実感するのです。
“常識”から外れたことをしたら、「自分の身に“何らかの不利益”が降りかかるのではないか」という不安や、恐怖を無意識的、本能的に感じるからではないでしょうか?
◆そもそも、どのように“常識”は私たちの中に入り込んできたのでしょうか?
多くの人は、幼少のころから、親からの教育(洗脳)を受け“常識”は当たり前のものとして染みついてしまっています。“常識”を疑うことはなく、とにかく従っています。
そして、その親たちはというと、その親から…、と代々同じように教育(洗脳)されています。同世代の人々はみな、“常識”に従っていますし、その先祖も代々同じように従っています。
こんな状況では、“常識”は、もはや空気のように当たり前になっていますので、誰も、疑いを持つという発想自体は普通にはありませんし、それに反することに抵抗感を覚えます。
そのため、実は、この常識により、行動の幅を制限され、辛い思いをしている人が多いのです。多くの人がもつ、コンプレックスなども、他の人と違っていること、常識が関係していることが多いです。
ということで、今回は、「常識にとらわれて苦しくなっている方へ」というテーマでお伝えします。
まず、はじめに、常識についての事実をお伝えします。
◆“常識”とは何?
“常識”とは何か? そのルーツを探り、研究したありがたい人がいます。
フランスの哲学者 現代思想家の天才中の天才ミシェル・フーコー(1926-1984)です。
以下、その人の研究成果をお伝えします。
これによって、一人でも多くの人が、常識にとらわれずに行動できるようになればと思います。
①そもそも、絶対的な真理などなく、少数の権力者が自分たちの都合のよい考えを、他の人々に押し付けただけ。それが“常識”。
その結果、それが、真理のように思われてきただけ。 だから、それに従わなかったとしても、 天罰なんて起こりえません。その他悪いことも起こりません。
②権力者にとって都合のよい制度を維持するために、その考え(“常識”)から外れた人を、“異常”と認定し、監視し、収容し、必要なら矯正するシステムを作った。
つまり、“異常”というのは、単に、“権力者にとって都合が悪い” ということにすぎないということです。
確かに先人の知恵という、万人に有用なものが常識となったものもありますが、フーコーが言っているように、ほとんどの正常、異常の判断基準になるような常識の原点には、昔の権力者の意図があるようです。
権力者が自分達だけのために都合の良いシステム、ルールを作っただけです。そして、私たちは、いいように踊らされているだけなのです。
私は“異常”とか“常識”と言っている時点で、「それを作った 権力者の思い通りに操られて、見えないところで、権力者がいい思いをしている」と思えて、バカらしくなってきましたが、あなたはどうですか?
ほんの少しでも、この話を聞いて、バカらしく思っていただけたら、
これからは“常識”を疑って、少しずつ壊してみてはいかがでしょうか?
特に自分には合っていないと思った時は積極的に。
新たな発見があり、より楽に生きられるかもしれません。
大事なのは、「自分にとってどうか?」という視点だと思います。
他に、これに関連した記事がありますので、参考にしてみてください。
精神科医 阿部正人