簡単に自信と決断力をつける方法-其の一
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こんにちは、精神科医の 阿部 正人です。
みなさんは、自分に
「 もっと自信があったらいいなぁ~」とか、
「もっと決断力があったらいいのになぁー」
なんて 思ったことはありませんか?
何を隠そう! 僕も、昔は自分に自信がなくて、
決断するまで、あれやこれやと、色々なことを考えたり、調べたり…
締め切り、ギリギリまで迷っていることが多かったし
先延ばししたこともあって、自己嫌悪になってしまうことも
結構 多かったんです!
ま、締め切りギリギリまで、先延ばしすることは
今も 多少あるかな…。(笑)
人は、「それは慎重だからだよ♪」なんて、慰めてくれますが、
慎重と言えば聞こえはいいけど、これが行き過ぎると…
“石橋を 叩いて渡る” から、“石橋を 叩いて壊す”
なんてことに なってしまいます。
こんな経験、あなたもありますか??
『 考え過ぎて行動できない。』とか『決断できない。』なんてこと。
今回は、そんな人には、ぜひぜひ読んで貰いたいので
少しだけ長くなりますが、シッカリ読んで 実践してみて下さいね!
さて、
考え過ぎて 行動できなかったり、決断できないと、
物事が 一向に進まず、いつまでも同じところを 行ったり来たり…
という状態が続いてしまいますよね。
そして、先ほどの 僕の例でもあるように、
“なんで、いつも こんなことも すぐに決められないんだろう”
と 自己嫌悪に陥(おちい)り、自分を責めて 辛くなってしまいます。
それが繰り返されると、その度に…
“自分は自信がない人間だ!” “決断力がない人間だ”と
頭の声が、自分自身に囁(ささや)きかけるので、
そうした信念を、自分で、より強固にしてしまいます。
そうなってくると、未解決の事柄も多くなるので、
注意力が散漫になって、集中力を維持するのも
かなり難しくなります…。
…と、こんな風にして、
ただ、自信がなかったり、決断力がないだけで、
恐怖すら感じるほどの “負のスパイラル”に はまって
しまうわけなんです(涙)
これじゃ、自信を持つためには、成功体験が必要なのに、
その成功体験すら、掴むことが 難しくなってしまいますね。
さて!
こんな状況を打破して、自信に満ち溢れさせ
リーダー的な 決断力を手に入れることが できたら
あなたは、どんな未来になると思いますか?
目の前に出てきた問題は、その場で、瞬時に判断して
処理できるので、未解決の案件が激減して、
常に
“ 目の前のことに 全神経 を 集中させる ”
ことができます。
こうした日々の成功体験 が 積み重なるので、
さらに自信も湧き、決断力が増え、自然と良い循環に入っていきます。
こうなると、もう、勢いがつきますので、
多少の失敗があったとしても、自分も周りも、
「彼ができなかったのだから、問題が難しすぎたのだろう」
などと、評価してくれたりします。
もう、失敗は、ほとんど気にならなくなりますね♪
そこで今回は、
「簡単に 自信と決断力をつける方法 其の一」
を お伝えしたいと思います!
この方法は、題名通り、非常に、ヒジョ~に、簡単なものですが、
科学的 裏付けのある 確実な方法なんです!
継続することで、
莫大な効果 を 発揮することは 間違いありません!(キッパリ)
僕は、これから説明する方法の 科学的 根拠 を知ってから、
俄然、この方法の 価値 を感じるようになりました。
実は 僕も毎朝、自宅でひっそりと やっています(笑)
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| ①しっかりと両足で立ちます。
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| ②両腕を、腰のあたりにおいて胸を張ります。
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| ③顔、あごを上に向けます。
| (全体としてスーパーマンのようなイメージです。)
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| ④この状態を、2分間維持します。
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| これを、できれば、朝などに継続してください。
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| ※面接や試験、発表会などの時は、
| 直前にトイレなどで、この姿勢をとってみても効果はあります。
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…はい、これだけです!
「 えっ!何? たった、これだけ 」って思いますよね?
僕も最初はそう思いました。
「あれ、なんかどこかで聴いたことあるよ」とかね。
さて、では、これから解説します!
ポイントは、ボディランゲージ(※)なんです。
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(※)ボディーランゲージとは、肉体の動作を利用した
非言語コミュニケーションの一つのこと。
その人の発するボディランゲージは、言語以上のものを周囲に伝えており
強い影響を与えている、と言われています。
(メラビアンの法則によると 言語の影響:7% 言語以外の影響:93%)
さて、
普段はあまり 意識されていない ボディーランゲージですが
実は、周囲に発信している ボディランゲージは…
なんと、“自分自身にも 影響 を与えている”のです。
身近な例では、人は、楽しい時 笑顔になりますよね。
逆に、笑顔を作ることで楽しい気分になったこと、ありませんか?
誰でも、経験的に知っていると思います。
また、試合に勝ったりして、勝ち誇っている時には、
自然に胸を張ったり、手を広げたり、大きく見えるような
体の使い方をしますよね!
何でもない時や、やる気のない時など、
試合に勝った時のような、大きく見えるような体の使い方をしてみると、
なぜだか、力が溢れてくる感じがすることも、想像できますよね!?
この効果が、ある実験で、科学的に裏付けられました。
エイミー・カディ博士の実験です。
(ハーバード大 社会心理学者)
ある実験というのは、こんな実験でした。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃
┃ 実験では、2つのグループに分けて、
┃
┃
┃ 一つのグループでは、力強いポーズを2分間とった後、
┃ ギャンブルをする機会を与えました。
┃
┃ もう一つのグループでは、弱々しいポーズを2分間とった後、
┃ ギャンブルをする機会を与えました。
┃
┃
┃ そう。違いは、たった2分間のポーズの差だけです。
┃ 力強い か、弱々しい か。
┃
┃ そして、両グループとも、
┃ 上記のポーズを取る前と、ギャンブルをした後で 唾液をとり、
┃ それぞれ 2種類のホルモンを測りました。
┃
┃
┃ ◆ まとめると、実験の流れは 次の通りです。
┃
┃┌――――――――――――――――――――――――――――――――
┃|
┃| ① 唾液採取-ホルモン測定 (テストステロン、コルチゾール)
┃| ↓
┃| ② 2分間のポーズ(力強いポーズ、弱々しいポーズ)
┃| ↓
┃| ③ ギャンブルを行う
┃| ↓
┃| ④ 唾液採取-ホルモン測定(テストステロン、コルチゾール)
┃|
┃└―――――――――――――――――――――――――――――――――
┃
┃ =◆テストステロン◆=====================
┃
┃ 支配性ホルモン、男性ホルモンと言われ、筋肉を大きくしたり、
┃ 若々しさを保ったりする 作用があるといわれています。
┃
┃
┃ =◆コルチゾール◆======================
┃
┃ ストレスを受けた時に 分泌されるホルモンの一つです。
┃ ノルアドレナリンや、アドレナリンとともに「ストレスホルモン」
┃ とも呼ばれています。
┃
┃ 人が何らかのストレスを受けると、ストレスの強さに応じて
┃ コルチゾールが分泌して、交感神経系を刺激し、脈拍や血圧を
┃ 上昇させ、脳を覚醒させます。
┃
┃ - – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
┃
┃ 「男性的である」と言われているハリウッドスターや
┃ 「有能なリーダー」を 対象に 測定した実験では、平均よりも
┃ テストステロンが多く、コルチゾールが 少なかった。と報告が
┃ 上がっています。
┃
┃ ================================
┃
┃
┃ 実験の結果、力強いポーズを2分間とったグループは、
┃ ギャンブルの前後で、テストステロンが 20%も 増加し、
┃ コルチゾールが 25%も 減少しました。
┃
┃ 一方、弱々しいポーズを 2分間とったグループでは、
┃ ギャンブルの前後で、テストステロンが 10%も 減少、
┃ コルチゾールが 15%も 増加しました。
┃
┃
┃ 以上のホルモンレベルの結果は、
┃
┃ 力強いポーズを2分間とったグループでは、
┃ テストステロンが増えたことから、体つき、パワーが男性的になり、
┃ 受けるストレスが 減った と解釈されています。
┃
┃
┃ ちなみに、
┃ ギャンブルで、賭けに出る 確率 を調べたところ、
┃
┃ 力強いポーズの グループ :86%
┃ 弱々しいポーズの グループ:60%
┃
┃ と差が付きました。
┃
┃
┃ 力強いポーズのグループでは、不確実なものに対し、
┃ より多くのリスクを取る傾向がある。という結果となりました。
┃ ( 決断力の増加と 関連があると思われます。)
┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
何度も繰り返しますが、
これらは、“ほんの2分間のポーズ”だけ から得られた結果なんです。
これが、積み重なったらどういうことになるのでしょうか?
物凄く 大きな変化になると思いませんか?
たった2分間で、ホルモンレベルが、これだけ変わるのですよ。
思考、感情、体つきに影響を及ぼすことになりますよね。
これまで、皆さんも、きっと誰かに
「 胸を張って 堂々としていなさい! 」などと、
言われたことは ありませんか?
僕は、あります。
心のどこかで、「 こんなことしたって…どうせ…。」
なんて思って、すぐやめてしまったことが 何度もあります。
はぁー。
その時、この データを示してくれていたらなぁ……。
トホホ…のホ。
エイミー博士は言っています。
「 できるまで フリをし続けなさい。」
「 自分のものになるまで、フリをし続けなさい。」
「 力 溢れるフリを! 」
体を意識して使い、「フリをすること」で、
脳は、それに必要なホルモンを出して、その状況に最適な状態を作ります。
つまり、体の使い方が、脳すなわち心に影響を与えるのです。
それにより、行動を変え、結果を変えることができるといっています。
私も、非常に共感できる言葉です。
でも、そう言っても、
「なんか“ペテン”や“まやかし”のようで、信じられない。」
「どうせ、バツの悪さを感じるだけだ。」
「(100歩譲って、たとえ効果があったとしても)
何かの“フリをする”なんて、自分らしくないから嫌だ。」
と言う人も いるかも知れません。
そんな人の為に、次回は、
今回お話したエイミー博士自身の関連するエピソードや、
別の興味深い話をお伝えしようと思います。
フリでも何でも、理想の自分になり切って行動し続けることができれば
それが、一番重要なんだと実感してもらえると思います。
是非、期待してくださいね。
精神科医 阿部正人