うつ病患者さんご家族へのアドバイスシリーズを開始します。第1回「うつ病患者さんへの接し方」

これから何回かに渡り、

「うつ病患者さんご家族へのアドバイスシリーズ」として、関連するテーマごとに記事を書いていく予定です。これまでの経験を踏まえ、患者さんの改善に効果的だった対応について書きます。

うつ病患者さんを想定した接し方を説明しますが、基本的なことは、他の患者さんにも応用できると思います。


まずは、第1回目として、
「うつ病患者さんへの接し方」です。

大まかな内容は以下のとおりです。

——目次——-

1.患者さんと接する時の心構え

2.患者さんの話を聞く時の心構え

3.患者さんが何も語ろうとしない場合の対応

4.自殺をほのめかす言動がある場合の対応

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1.患者さんに接する時の心構え

まずは、大切なポイントから。

患者さんに接することは、大きなエネルギーがいることです。疲れている時など、十分なエネルギーのない時は、無理しないと判断することも大切です。

例えば、誰かほかに余裕のある人に対応をお願いするなど、チームでの対応を検討しましょう。

 ②うつ病の本質は、種々の原因により一時的に、エネルギーが低下した状態です。エネルギーの補給に専念し静かに見守ってあげましょう。

休養により、エネルギーが満たされれば、自然に元のように活動的になります。

ですので、敢えて、散歩に連れ出すとか、何か行動を促す必要はありません。ですので、本人が動きたいと思うまでは、そっと見守っていて下さい。

★たまに、このままでは寝たきりになってしまうのでは?と心配になり、規則正しい生活をさせようとする方がいらっしゃいますが、かえって回復を遅らせてしまうようです。

入院の患者さんでも、ダラダラできる方の方が、回復が早いです。もともと、うつ病になってしまう方というのは、病前性格が真面目な方が多いので、日頃から、頑張ろうと意識していることが多いです。

それでも動けなくなってしまうのがうつ病なので、そこで何かを促すことは、患者さんにとっては辛い事この上なしです。

やがてエネルギーが満たされて回復すれば、寝ているなんてことはできずに、自然と活動してしまうようです。

注)休養の他、お薬が必要な方もいらっしゃいます。改善傾向にない場合は精神科の先生に相談することをお勧めします。

2.患者さんと話をする時の心構え
 ①まずは、本人にとって安心できる環境を提供することに専念しましょう。そして、本人が辛さを表現するのを待ちましょう。

妄想的な考えに支配されている場合は、大きな不安を抱えていることが多いです。そして、そのストレス状況がIQを下げ、正常な判断を妨げ、妄想的な考えを強化していることもあります。(不安、恐怖が強い場合、妄想的な考えも強まります。)

安心できるリラックスできる環境の提供が、それを和らげる効果を持ちます。

②決して無理に話すように強いることはせずに、「話したくなったらいつでも声をかけてね」と声をかけておくのが良いでしょう。

日頃から、気になる人がいたら、意識して声をかけておく。(例、「何か話したいことがあったら、いつでも声をかけてね」)

こちらから、「今、お話しませんか」と、声をかけるのはあまりお勧めしません。

体調が悪かったりして、相手が準備できていない時の場合は、逆効果になることもあるからです。(患者さんは、そんな状態でも、せっかく声をかけてくれたのだからと、気を使って応じてしまい、結果的に調子を崩してしまうようです)

 ③そして、本人が話始めたら、訴えを静かに聞き、全てを受け入れるように試みてください。

・これにより、本人が何かを語ることができて、自分の話を聞いてもらえたと思うことだけで大分楽になるものです。

さらに、本人の抱えている問題、悩みがわかれば、そこで解決できなくても、その後、精神科受診の際、スムーズに診断治療に繋げることができますので、大きな一歩といえます。(外面からは決してわかりませんので)

・この時、いろいろと意見やアドバイスをしたくなりますが、それをすると、本人は自分が否定されている、受け入れてもらえないと感じ、心を閉ざしてしまうことが多いので控えた方がいいようです。

・つい、「大丈夫,大丈夫」とか、「気にしないで」と言ってしまいがちですが、これも控えた方がいいようです。

特に根拠がない場合は、全く効果がありませんし、 話を早く切り上げようとしていると思われることもあります。

ある程度、症状が進んでいる場合には、 十分な根拠があったとしても多少妄想的になっているため、 全く効果がありません。

 

3.患者さんが何も語ろうとしない場合の対応

このような場合でも、決して無理に話すように強いることはせずに、「話したくなったらいつでも声をかけてね」と声をかけておくのが良いでしょう。

ご家族、友達には心配をかけまいとする気持ちから、話しにくいことが多いですが、第三者になら話せることもあります。それとなく精神科受診を勧めてみてください。

☆ 精神科受診へつなげることが難しい場合については、第2回【精神科医療につなげるために】で説明したいと思います。

 

4.自殺をほのめかす言動が出てきた場合の対応

精神科通院中の場合は、すぐに受診し主治医の診察を受ける必要があります。未治療の場合は、緊急に精神科受診につなげることが必要です。

☆ 精神科受診へつなげることが難しい場合については、第2回【精神科医療につなげるために】で説明したいと思います。

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