あなたは、突然、恐怖の感情が出て行動できなくなることはありませんか?
たとえば、これまでにやったことのない新しい行動をとろうとした時や将来起こるかもしれない問題を考えた時など。
恐怖が出てくると、脳のIQが下がるといわれています。そうなると、論理的な思考ができなくなります。
このような状態では、本来の能力が発揮されません。何をやっても、悪い結果となってしまい、自信を無くし、それによりまた恐怖が強まり‥‥と悪循環になってしまいます。
さて、普段から、恐怖に対する対策を知り準備できていたらどうでしょうか?
毎日、落ち着いて過ごせると思いませんか?
ということで、今回は、「恐怖に打ち勝つ方法-恐怖に強い体質になる方法-」 をお伝えします。
Ⅰ.大事なポイント
『感情を変えるには「キッカケ」、「脳内イメージ」、「体の使い方」が最も大切』
Ⅱ. 恐怖を強く感じた時に実際にやること
(1)まず、呼吸に意識を集中し深呼吸を2分間行う。
(2)「今、感謝できることは何か」と質問し、イメージする。
(3) 堂々とした姿勢を2分間とる。
①しっかりと両足で立つ。
②両腕を、腰のあたりにおいて 胸を張る。
③顔、あごを上に向ける(全体としてスーパーマンのようなイメージ)。
★日々、これらを習慣にしておくと非常事態において、より高い効果を発揮できます。
日頃から感謝できることをピックアップし、ノートに書いて時間のある時に それを見るのも効果的です。
【補足説明】
◆感情を切り替えるには、何かしらのキッカケが必要です。
深呼吸により、呼吸に意識を集中することで、意識のフォーカスを恐怖から外します。これにより、次の「感謝のステップ」へ移りやすくなります。(深呼吸は、意識のフォーカスを切り替えるキッカケとして最良です。)
さらに、深呼吸は、多くの酸素を体内に取り込み、思考と自律神経機能を安定化し、平常心を取り戻す作用もあります(多くの場合、恐怖を感じていると呼吸が浅くなり、脳内への酸素供給が少なくなっています)。
◆感情と脳内イメージの関係について
感情は、その時の脳内を占めるイメージに対応して現れます。(必ずしも、眼の前の現実に対応していないことに注意! 例えば、墓場でススキを見て、幽霊と思い込んだ人は、脳内に幽霊をイメージして、それに対して恐怖の感情を抱きます。)
脳内には同時に2種類以上のイメージを持ち続けることはできません。
そこで、恐怖のイメージが出そうになった時、意識的に別のイメージを出すことで恐怖の感情を消すことができます。
この時に効果的なのが、「感謝のイメージ」です。 なぜか?というと、自分の体を見渡すことで容易に見つけることができ、しかも感謝できることは結構あるからです。
「空気が吸える」 「ご飯が食べられる」 「一人で歩ける」 「一人で、トイレに行ける」などなど…。
しかも、脳は質問すると、脳は自動的に答えを見つけてくるという性質がありますので、「今、感謝できることは?」と質問するだけで、脳内に感謝できる物事を探し、イメージさせてくれます。
日頃からこの質問を習慣にしていると、突然大きな恐怖に襲われても、すぐに、感謝の気持ちを持てるようになるので、恐怖に強い体質になることができます。
◆「感情」と「体の使い方」の関係
体の使い方は感情に大きな影響を与えています。
よく言われることですが、
「スキップしながら落ち込むことはできません。」
「笑顔を作りながら、つらい気持ちを感じることはできません。」
体の使い方は、私達が意識して選ぶことができますので、結局、私達は感情をコントロールできることになります。
ここで紹介した、「スーパーマンのポーズを2分間とる」という行動は、実験で自信および決断力が増大したことが報告されています。
今回お伝えした方法で、大抵の恐怖の感情はコントロールできると思います。
より強力な方法については、また別の機会にお話しましょう。
最後に
ご存知の通り、感情はとてつもなく大きな力をもっています。多くの人は、この感情にコントロールされて一生を送ります。自分でも気がつかないうちに。
しかし、実は、知識と練習により、この感情はある程度コントロールできるものなのです。
少し想像してみて下さい。この感情を自由にコントロールできたら仕事、人間関係‥‥において、どれほど素晴らしい結果が得られるでしょうか?
この度、医療職、介護職、保健師、臨床心理士、ケアする現場の方々を対象とし、ストレスから開放されて、より充実した日々を送れるように、これまで実際に効果のあった感情マネジメント法についてお伝えするセミナーを開催します。
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精神科医 阿部正人