他人の視線が怖くて外出できない人へ

これからしばらく、これまで数多くの患者さんやそのご家族の方に
アドバイスしてきたことや、現在進行中のことを記事としてまとめ、
アップしていこうと思います。
(個人情報保護のため、一部内容を変更してお伝えします。)

あなたの人生に参考になることを、
いくらかでもお伝えできれば嬉しいです。

内容についてのご質問、ご意見がありましたらお願いします。

個別には対応できませんが、
全て読ませていただき、必要と思われることにつきましては
このサイトの中でお伝えしていきます。

 

今回のテーマは

「他人の視線が怖くて外出できない人へ」

です。

 

何でもそうですが、一般に何か行動できるようにするためには、大きく分けて2つの方法があります。

心、思考、感情などの内面にアプローチする方法と、

行動の仕方、習慣などの外面にアプローチする方法です。

 

今回は、後者、行動や習慣にアプローチする方法についてお伝えします。

 

心、思考、感情などの内面にアプローチする方法は根本に作用するので一般的には強力ですが、難易度が高く時間を要することが多いです。

 

理想は、両者を併用することだと思いますが、行動や習慣を改善するだけ十分なケースもありますので、試みる価値は高いと思います。

 

今回は、「他人の視線が怖くて外出できない人」へのアドバイスとしてお伝えしますが、

他の類似のケースでも応用出来ると思います。

 

それでは説明します。

 

ポイントは、なるべくストレスのない形で行うということです。

といいますのは、既にストレスの多い状態にあるため、元気なときなら何でもないようなストレスでも、容易に心が折れてしまい続けられなくなるからです。

 

人間は小さな成功でも喜び、意欲を感じることができます。

そして、それを繰り返すことで慣れて容易にできるようになる特性があります。

 

ですので、なるべくステップを小分けにすること、

もし失敗してもなるべく傷を少なくすることが大切です。

 

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具体的な方法です。

 

1.安全ネットの確保

まずは、実際の行動の前に、安全ネットを確保します。

1つ目の安全ネットですが、自分にとって安心安全の場を確保します。

そのために、物理的に不安のない環境を整えます。

必要であれば、外部からの雑音を遮断することも効果的です。

 

そして、その環境の中で、精神的に安定した状態を維持できる生活習慣を築きます。具体的には、できるだけ日々楽しいことに意識を向け、体を動かす習慣を作ることです。ここにいたら安心安全と心から思えるようにすることです。

 

次は、2つ目の安全ネット確保です。

突然、不安、恐怖が出た時に備えて、事前に対処方法を決めておくということです。(以下、「不安恐怖脱出ルーチン」と名付けます)

 

例えば、楽しくなる動画や、テンションが上がる音楽を用意しておいて、不安や恐怖が出た時にすぐに見たり聴いたり出来るように準備しておくのです。

見ているだけで笑顔になれるような写真を容易しておくのも良いでしょう。

 

あとは、楽しかった記憶、経験をいつでも思い出せるように日頃思い出す練習をしておくのも良いでしょう(これは、多少練習が必要かもしれませんので、最初のうちは無理しなくても良いと思います。)

 

 

2.イメージトレーニング

安全ネットの確保ができたら、次にするのは、イメージトレーニングです。

まだ、この段階で実地に移してはいけません。安全ネットがあるから大丈夫と

思うかもしれませんが、そうではありません。

 

実は、ここで用意した安全ネットは、まずは、家などの安心安全な空間で試しておく必要があります。

 

イメージトレーニングをしているうちに、安全ネットの使い方にも慣れ、その効果も高まってきます。

 

つまり、安全ネットを準備した状態で、まずは実際に外出することをイメージしてみるのです。

なるべく近くのゴールを設定します。たとえば公園、コンビニなどへ行くことを想定し、玄関を出てからそこへたどり着くまでに出会う人や風景を頭の中にイメージして下さい。

 

慣れてきたら、意識的に人の視線をイメージしてみて下さい。

 

はじめての場合は、イメージすることが難しいかもしれませんが、うまく出来るようになるとそれに対して臨場感が出てくるので、脳は、実際に外出していると感じ、その時と全く同じ体の反応(胸がドキドキしたり、違和感を感じたり)が出てきます。

 

脳は実際の状況と、アリアリとしたイメージは区別がつかないので、体は

同じように反応する性質があると言われています。

(レモンや、梅干しをイメージするだけで、口の中にジワーッと唾液が出てきませんか))

 

そして、何かしらの体の違和感が現れたら、それ以上は無理せず、イメージは中断し、しっかり目を開け、意識を現実社会に戻し、安心安全な空間であることをしっかり実感します。それだけで多くの人は、じきに楽になるでしょう。

 

それでも、まだ十分に改善しなかったら、残る安全ネット(「不安恐怖脱出ルーチン」)を利用します。そして、完全に平常心に戻るまで休養します。

 

そして、体調が戻ったら、再びイメージトレーニングを行います。

 

 

繰り返しの間隔や頻度はその日の体調に応じて決めてよく、決して無理せず、気楽な感じで、

繰り返してみるのです。

 

 

そして、家の中でのイメージトレーニングに慣れて、特に苦しさを感じなくなった時、はじめて実地練習に移ります。

 

その頃には、「不安恐怖脱出ルーチン」にも慣れ、安心して実地練習ができると思います。

 

 

今では当たり前に出来ることがたくさんあると思います。

たとえば車の運転、現在の仕事‥‥。

 

でもこれらは、始める前はこんなの無理、と思っていませんでしたか?

今では他のことをしながらでも余裕で出来るようになっていませんか?

 

人は、どんなことでも繰り返すことができさえすれば、かならず慣れて普通にできるようになります。

 

うまくいかないのは、失敗した時の痛手が大きすぎて、途中で心が折れてしまい

慣れるまで繰り返すことができなくなるからです。

 

是非、あせらず少しずつ繰り返してみて下さいね。

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