日頃、我慢しすぎてしまう人へ

ここで質問です。

「あなたは、日頃、意識して我慢しないように 工夫していますか?」

「我慢するのは、しかたのないこと」と思っていませんか?

 

我慢することは、小さい頃から美徳と言われてきましたし、

我慢が足りないと、“わがままだ”と言われますしね。

 

実は、我慢することが脳に与えるマイナスの影響が明らかになっているのです。

 

我慢を減らすことができたら、どうなると思いますか?

・集中力が継続し仕事も短時間で終わるようになります。

・そのため、自分の好きなことをする 時間が増えるでしょう。

・家族と過ごす時間も増え、よりリラックスできるようになるでしょう。

・実績も上がりますので、より、周囲からの評価も高まり、

あなたの才能を活かした仕事をする機会が増えるでしょう。

 

結果として我慢を強いられることが 減るかもしれません。

 

1.なぜ、我慢を減らすべきなのか

 

ここで重要な概念があります。

それは、「セルフコントロールの力(=意思の力)」と呼ばれているものです。

 

◆セルフコントロールの力とは、何かに集中する時に必要となる力のことです。

意志の力と言われることもあります。

 

そして、この“セルフコントロールの力”について、興味深い研究報告があります。

 

それによると、我慢することで、その後に行った活動で効率が落ちることが明らかになりました。

これにより、「我慢することでセルフコントロールの力が消耗する」ことが発見されました。

 

大事なので繰り返しますが、

我慢するときに、私達は、セルフコントロールの力を使います。

セルフコントロールの力は無尽蔵ではなく、有限であるということです。

 

◆本当に大事な活動に「セルフコントロールの力」を取っておくために、

できるだけ、余計な我慢することを減らす必要があるということです。

 

2.我慢を減らすための対策(=我慢しなくても済む環境の構築)

ポイントは

欲求を感じたら、なるべく早く解消できるようにするため、

この欲求を洗い出し、解決策をあらかじめ決めておくことです

 

具体的には以下のようなことがあります。

 

①【事前に決めておく代替行動の例】

・(ダイエット中の場合)空腹を感じた時にとる低カロリーで満腹感を感じるものを準備しておく。

・仕事で、行き詰った時にする、気分転換出来る簡単な作業や行動を決めておく。

 

②【事前に環境調整が必要な場合】

・仕事で疑問が生じた時に、すぐ相談できるように、人間関係を良好にしておく。

・言いたいことを躊躇せず言える関係を築いておく。

 

一般に仕事の能率が早い人、良いアイディアを出す人には、一見、“我がままに見える人”って多くないですか? ワンマン経営の社長さんとか…。

 

実は、人のことが気にならない。

→我慢せず、自分の欲求を満たす。

→限られたセルフコントロールの力の消耗を防ぐ。

→長時間、仕事に集中できる。

→成果が出る。

と言えそうです。

 

本質は、「自分の欲求に忠実になり、どんな小さなことでも欲求が出たら、我慢せずに、行動する」ということのようです。

ですから、逆に、どうしても我慢が必要な予定がある日(例えば、長時間、缶詰で講義を受けるような日)には、予め、その他に集中力を要する作業をなるべく入れないようにすることが重要ですね。

 

まとめ

我慢することで意思の力を消費します。それにより、その日に出来る集中力を要する仕事ができなくなります。(意志の力は、翌日になればまた満タンになります。)

→できるだけ我慢を減らすことで、大切な仕事のために意志の力をセーブしておくということです。

 

◆今回は触れませんでしたが、周りの人からの評価が気になって、自分の意見が言えず我慢してしまうなど心理的な問題もあると思います。これについては、今後、別の記事でお伝えしたいと思います。

精神科医 阿部正人

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