なんとなく、気持ちが沈んで元気が出ないとか、理由なくイライラして落ち着かないということはありませんか?
そんな時でも、気持ちを切り替えて仕事をしないといけないという場面もありますよね。
そこで今回は、「強制的に感情を切り替える方法 」を お伝えしたいと思います!
これは、日々感じて我慢している嫌な感情を切り替えたい時には、有効ですよ。
いろいろ、応用できると思いますので是非、試してみてください。
【実施手順】
①これまでで、一番いい気持ちになった体験を思い浮かべます。
(できれば、五感を使ってありありと)
②同時に、頭の中に気持ちのボリュームのツマミを思いうかべます。
そこには、1,2…、10と書いています。
レベル1から、ゆっくりレベル10まで、ツマミをまわします。
③レベル10の最高に気分の状態で、右手の人差し指で自分の体のどこか一点を 何度か押して見てください(例えば、左手の親指の付け根とか)。
④体を何度か振った後、この押す動作をしてみます。その時、いい気分が再現されたら、次の確認テストに進みます。
再現されなければ、再び、①~③を繰り返します。
⑤(確認テスト)
イライラした事を思い出して、気持ちがイライラした所で、その動作をしてみて下さい。
イライラした気分が感じられなくなれば成功です。不十分なら、また、①~③を繰り返します。
⑥実際に、嫌な気持ちになった時に、その動作を行います。
【補足説明】
NLP(神経言語プラグラミング)という能力開発、心理療法へのアプローチ技法があります。これはその中のアンカリングという方法を使って、いい感情を自由に引き出す方法です。
アンカーとは、碇という意味です。イメージ、感情を碇につなぎとめて、いつでもアクセスできるようにしようというのがアンカリングです。
体の感覚と記憶、気分は強くリンクしています。アンカリングは、これを意識的に利用したものと言えます。
ある日、たまたま流れてきた昔の音楽が耳に入ったとします。それが引き金となって、その頃の楽しい記憶を思い出して、その時のいい気持ちになったという経験はないでしょうか?
音楽が条件となり、その時の気分が反射的に出てきたもので、一種の条件反射と言えます。
条件反射といえば、パブロフの犬の話が有名なので聞いたことがある人もいると思います。
パブロフが犬にえさを与える時に毎回ベルを鳴らしたという実験です。すると、そのうち、ベルを鳴らしただけで、えさを与えなくても、犬がよだれを流すようになったということです。
これは、ベルを鳴らすという条件付けを繰り返すことで、えさの有無にかかわらず、よだれを流すという反射を形成したと説明されます。
犬の場合は、条件反射を確立するまでには何度も繰り返す必要があります。しかし、人間がアンカリングを行う場合は、より少ない回数で成立すると言われています。
集中して行えば、一回で成立することも可能です。
この方法は、自分の手の動作を使っていますから、いつでもどこでも使えます。
さっそく、練習して嫌な気分になった時にやってみてくださいね。
そして、さらにいい経験した時は、それを追加でアンカリングすると、より効果的なものにパワーアップします。
※最後に、アンカリングする時の注意ですが、他の人から容易に触られるところは避けた方が無難でしょう。肩とかに入れると、友達に触れられた時に、その時の感情が入ってしまうこともあるからです。
気分が落ち込んでいる時に、「気にするなよ」なんて言われて、肩をたたかれたら、落ち込んだ気分が入ってしまいますからね。笑
自分の入れたくない感情が入ってしまうと、効果が半減してしまいますよ。
ここまで読んでみて、この方法で、どんな激しい感情も切り替えられるの?と思うかもしれません。
残念ながら、これはものすごく怒っている時などに感じる激しい感情を切り替えるほどの強力なものではありません。それには別の方法が必要になります。それはまた別の機会にお話しましょう。
他に、これに関連した記事がありますので、参考にしてみてください。
精神科医 阿部正人