人間関係の中で、よくある困ったこと、それは、嫌な気分になることではないでしょうか?今回は、これに対する方法について述べてみます。
【嫌な気分やイライラする原因について】
人はみな、周囲に影響されています。
自分の思いと周囲のギャップから、イライラ、怒りなどが起こります。(要は自分の思い通りにならないと、無意識のうちに、自分が否定されたように感じてしまうことが原因のことが多いです)
潜在意識の中に、「自分は価値のある人間だから、周りは、自分の思い通りになるべき」という思いが強く刷り込まれているのです。ですので、そうならない場合、自分は、「周囲から認められていないのでは?尊重されていないのでは?」と感じ、不安になったり、嫌な気分になってしまいます。(裏を返せば、「自分は、周囲から認められるべき、尊重されるべき」という思いがあることになります。)
ですので、本当に、自信のある人は、周囲からの評価に対して、気持ちがブレまれません。どんな対応をされても平気です。
一瞬、気にはなっても、すぐ次の瞬間には、それは何もわからない人たちの反応だから、と思うことができ、また、マイペースに戻ることができます。
つまり、究極の解決法は、確固たる自信をもつことです。
しかし、これは一朝一夕にはできないので、何かしらの対応が必要です。
【嫌な気分の時の具体的な対応について】
多くの人の場合、気にしないようにしようと考えます。しかし、「気にしない」というのは、口で言うのは簡単です(他の人にアドバイスするのも簡単です)が、実際にはほとんど効果がありません。(たとえ、一時的に気力でやったとしても、継続は無理です)
なぜかというと、人は、何かを気にしないようにと意識した途端、それ自体を強く意識してしまうものだからです。
ですので、対策としては、嫌な気分になった時は、別な考え方をもち、それに注意を払うことです。(別の考え、意識でその気分を上書きするイメージです。)
人は、同時に2つ以上の思考を持つことはできません。
ポイントは3つです。
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(1)自分へのフォーカスを外す。
嫌な気分になっている時は、必ず、ベクトルが自分に向いています。
自分の感情、自分の思いで頭が一杯になっています。(顕在意識、潜在意識とも)
ですので、強制的に相手にフォーカスを向けることです。
そして、
(2)一度、相手の立場に立って、相手のために、考えることです。そのために、必要な情報が足りないと思ったら、理解することを目的に、よく理解できるまで質問することです。
(3)相手の状況がよくわかった時に、自分の状況を加味し、全体的に何が起きているのかを理解し、次の行動を考えます。
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これはやってみるとわかりますが、途中、(2)のステップを強制的に入れることで、嫌な感情が増大することを抑えますので、その後、冷静な判断ができるようになります。
これは練習が必要です。頭で理解しただけでは使い物になりません。数稽古が必要です。
これから、対応が必要なった時は、貴重な練習の機会だと思って練習してみてください。
そして、この練習の暁に、使えるようになれば、どんな困難な場面でも、感情が乱れることがなくなります。そしたら、何が起こるでしょうか?
どんな困難な場面でも、落ち着いて対応している自分に気づきます。
この時、自分への確固たる自信が生まれるのです。
ここまでになれば、ほとんど意識することなく、周囲の状況に振り回されなくなり、落ち着いて行動できるようになります。
他に、これに関連した記事がありますので、参考にしてみてください。
精神科医
阿部正人